第1話「100年後の新たな危機」
登場人物紹介1
久住直樹 本作の主人公。かなり大雑把な性格。朝に弱い。祐介と融合して完璧な状態になっている。
藤枝保奈美 本作のヒロイン。久住直樹の幼馴染。かなりの世話好き。完璧超人。久住直樹と結ばれた。
天ヶ崎美琴 はにはに本編のヒロイン。100年後の世界から来た未来人。何事も前向きに考える性格。
渋垣茉理 久住直樹が世話になっている叔父の娘。つまり従妹。当然同居中。1歳年下。元気でハキハキ、思ったことははっきりと口にする。蓮美台学園のカフェテリアでウェイトレスをしている。
橘ちひろ 100年後の世界から来た未来人。控えめで謙虚な性格。未来を滅亡寸前に陥らせたマルバスに対するワクチンの材料の、青フォステリアナを育てた。
野乃原結 100年後の世界から来た未来人。蓮美台学園の教師。未来と現代をつなぐ時空転移装置の管理者。
仁科恭子 100年後の世界から来た未来人。蓮美台学園の養護教諭。未来を滅亡寸前に陥らせたマルバスに対するワクチンを開発した。
秋山文緒 久住直樹のクラスの委員長。直樹の「委員長というあだ名で呼ばれたことのある人」の一言で委員長に。根っからのまじめな性格。頼まれるといやといえない委員長気質。
広瀬弘司 天文部部長を務める久住直樹の大親友。控えめな性格。柚香という妹がいる。
宇佐美玲 100年後の世界から見た未来人。蓮美台学園理事長。生徒の前には滅多に姿を出さない。
※深野順一と広瀬柚香はサブキャラクターとしても出てきません。ファンの方ごめんなさい。
プロローグ
オペレーションサンクチュアリによって、マルバスの脅威がなくなった100年後の未来。正常になろうとしていたこの世界に、新たな危機が訪れる。
日本政府のとある場所にて
「マルバスの脅威がなくなって、これで安心して暮らせますね」
「そうだなあ、でも日本も1000人程度まで減っちゃったし、これからが大変だぞ」
「そうですねえ」
これからの未来について語り合われているそんなとき、何百年も使われていなかった敵機襲来の警報が突如として鳴り響く。
「な、なんだ!?」
「あ、あれは・・・」
次々と破壊されていく都市。未来の日本で一体何が起こったのか。
本編
久住直樹は春休み1ヶ月前にして、学校の屋上で授業をサボって昼寝をしていた。6時間目は結先生の授業だったので、怒られても大したことは無いだろうというなんとも自分勝手な考え方だった。
カラーン、カラーン、カラーン。
授業終了のチャイムが鳴る。が、この後はホームルームだけなのでこのまま寝ることに。
数分すると体が揺さぶられていることに気づく。
保奈美「なおくん、なおくん。起きて。」
仕方なく目を覚ますと保奈美が立っていた。
直樹「なんだ、保奈美か。」
保奈美「なんだじゃないでしょ。んもう、授業サボって。」
保奈美は半ば諦め顔だった。
保奈美「なおくん、結先生が呼んでいたよ。」
直樹「げ、マジ!?」
保奈美「でも、授業サボってたことが呼び出しの内容じゃないみたいだよ。場所は時計台の理事長室だったし、私も呼ばれているから。」
そんな会話をしていると、屋上のドアが開かれて見知った声が飛んできた。
茉理「あ、いたいた。直樹ー。」
茉理が俺たちの座っているベンチに近づいてきた。
茉理「あれ?保奈美さん。どうしたんですか?」
保奈美「あ、茉理ちゃん。ちょっと私たち、時計台のほうに呼ばれてて。」
茉理「え、あたしも呼ばれましたよ。姿の見当たらない直樹を探して時計台に来いって。」
保奈美「う〜ん、どういうことなんだろう?」
3人が考えているとさらに屋上に人が入ってきた。
直樹「あ、弘司と委員長」
二人が声をかける前に気がついた。
弘司「直樹、また屋上で寝てたな。」
文緒「結先生、怒ってたわよ。」
直樹「春休み前だしな。」
弘司「そういう問題じゃないだろ。」
直樹「ところで弘司たちは呼ばれているのか?」
弘司「藤枝もいるところを見ると話は伝わっているみたいだね。一応俺たちも呼ばれているんだけど。」
直樹「んじゃ、全員で行くか。」
直樹たちはぞろぞろと連れ立って時計台へ向かった。
直樹を先頭にして理事長室のドアまで来る。
コン、コン。ガチャ。
直樹「失礼します。」
中に入ると理事長、結先生、仁科先生に美琴、さらにちひろちゃんまでいた。
全員中に入るとまずは結先生が怒った顔で口を開いた。
結「久住君、授業をサボっちゃ駄目ですよ。」
直樹「すみません」
恭子「また久住は屋上で寝てたんでしょ。」
呆れ顔で恭子先生は言った。
玲「全員揃ったようですね。」
保奈美「あの、またなおくんに何かあったんですか?」
保奈美が心配そうな顔で聞く。
玲「いえ、今回は別の件で集まってもらいました。」
理事長は重い口調で続けた。
玲「皆さん知ってのとおり、オペレーションサンクチュアリは橘さんと仁科先生のおかげで成功することができました。」
玲「今ではワクチンが世界中に広まり、多くの人命が救われています。ですが、いまだに人口は少ないままです。」
玲「日本でも1000人程度しか残っていません。それをいいことに、アメリカの譲二・ブッシュ(日系2世)は世界を支配するために世界大戦を始めました。」
玲「100年後の日本国の大統領「明日葉篝」はこれを良しとはせず、徹底抗戦を宣言しました。」
玲「しかし、今の日本には防衛する力がありません。そこで私たちはあなたたちに参加をお願いするためにここに呼びました。」
100年後の日本に危機が迫っている。それは美琴たちが100年後の世界から来たことを知ったときと同じような感じだった。
玲「未来に無関係なあなたたちに無理にとは言いませんが。」
直樹「戦うって、戦闘機とか戦車でですか?」
玲「いえ、戦艦とモビルスーツです。」
弘司「え?でもモビルスーツってロストテクノロジーで、それを元に作られたアニメだけの話じゃないんですか?」
玲「確かにこの時代にもモビルスーツの発見記録はありますが、100年後の未来ではこれを完全に復元し実用化しています。」
玲「それに乗って戦うわけですが、コックピットには時空転移装置を応用して作られた空間転移装置が組み込まれており、撃破されると自動的に作動して戦艦に転送されるようになっていて、絶対に死ぬことはありません。」
玲「これは相手方も同じで、撃破しても人を殺してしまうようなことはありません。」
直樹「それで、未来にはいつごろ戻るんですか?」
玲「3月のはじめです。学園は異例の改装工事として約1ヶ月休みにするつもりです。」
少しの沈黙が続く。
保奈美「なおくん、どうするの?」
沈黙を破ったのは保奈美だった。
直樹「う〜ん、急に言われてもなあ。」
玲「先ほども言いましたが、無理にとは言いません。」
茉理「時空転移装置って100年単位でしか使えないんだよね?1ヶ月も空けるとなるとお父さんとお母さんにも相談しなくちゃいけないし。」
玲「その辺はこちらでこじつけておきます。」
直樹「それで、美琴たちも参加するのか?」
美琴「うん、もちろんだよ。支配されて生きるなんていやだもん。」
直樹「確かになあ。」
茉理「ちひろもここにいるってことは、やっぱり一緒に行くの?」
ちひろ「うん、ごめんね、茉理。」
しばらく沈黙が続く。
直樹「1日だけいいですか?」
玲「わかりました。出発はまだ先ですし、時間もいろいろと必要でしょう。」
そういってこの場はお開きとなった。
その帰り道。直樹は保奈美と茉理、弘司と文緒と一緒に歩いていた。
直樹「保奈美、俺は未来に行こうと思う。」
保奈美「なおくん・・・。」
直樹「やっぱり一緒に過ごした美琴たちが困っているんだから、助けになってやりたい。」
保奈美「うん、私もどちらかというとそう思っていたところなの。」
直樹「保奈美・・・。」
茉理「ちひろのためだもんね。私も行くよ。」
弘司「正直先生たちが未来から来たってことも驚きだったけど、俺も行くよ。」
文緒「そうね、困っている人を放っては置けないし、私も行くわ。」
直樹「みんな・・・ありがとう・・・。」
それから数日後。
未来へ行く当日がやってきた。
時間は朝7時。そんな早い時間に直樹はやはり起きられず、いつもと同じように保奈美に起こしてもらっていた。
何とか時間通りに時計台に着く。
玲「それではまず、現代の人には仁科先生に予防接種の注射をしてもらいます。その後に時空転移装置で未来に向かいます。」
恭子「じゃあ、まずは久住からいってみる?」
直樹「はは・・・お願いします。」
注射が終わり、一人ずつ未来へ向かう。
最後に直樹と結先生が一緒に装置の中に入る。
結「久住君、準備はいいですか?」
直樹「はい、いつでもOKですよ。」
機械の音がし始め、周りは目も空けていられないような光に包まれる。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
結「はい、着きましたよ。」
結先生の声で目を開ける。
直樹「ここは・・・。」
周りを見渡すと、先ほどと同じ風景が目に入る。
直樹「さっきと同じ場所ではないんですか?」
結「場所は同じでも、年月は100年経っていますよ。」
直樹「あまり実感が沸かないんですが。」
結「100年後でも学園はありますからね。まずは、理事長室に行きましょう。」
結先生に続いて螺旋階段を上る。
ガチャ。
玲「結先生たちも着たようですね。」
直樹「本当に100年後の世界に来たんですか?」
玲「では、まずは外に出てみましょうか。」
理事長に続いて100年前に住んでいるメンバーが外に出る。
直樹「これは・・・。」
確かに外は蓮美台学園だったが、周りには誰もいない。
試しに蓮美坂まで来るものの、周りの家には人が住んでいる気配は無く、あちこちに雑草が生えている。
保奈美「本当に・・・、100年後の未来に来たんだね・・・。」
茉理「家は、どうなっているのかな。」
玲「こことあまり変わりませんよ。今は誰も住んでいません。ですが、渋垣家の末裔はまだ生きていると聞いたことがあります。」
茉理「そうなんだ・・・。」
玲「では、戻りましょうか。」
全員が理事長室に集まる。
玲「これから皆さんを戦艦に案内します。100年前にはありませんが、螺旋階段の途中にそこにつながる隠し通路があります。」
直樹「この学園の近くにあるんですか?」
玲「はい。正確にはグランドの地下ですが。」
茉理「なんかちょっとだけわくわくしてきたよ。」
理事長室から出て再び螺旋階段に戻る。
半分ほど下ったところで理事長は立ち止まった。
玲「ここです。」
理事長が壁の一つを押すとだんだんと開いていく。
そこにはまっすぐな道が続いていた。
しばらく歩くと急に視界が開ける。
そこには巨大な戦艦があった。
直樹「これは、もしや・・・。」
玲「はい、強襲機動特装艦アークエンジェルです。」
茉理「大きい〜。」
ちひろ「大きいねぇ。」
一年生コンビが感嘆の声を上げる。
玲「ではブリッジへ移動しましょう。」
いくつかの扉をくぐり、エレベーターに乗ってブリッジに到着した。
玲「それではまず、皆さんの役割分担をしたいと思います。」
理事長が真ん中の席に座る。
玲「決めなければいけないのは、艦長、戦闘指揮官、操舵士、オペレーター、砲手、モビルスーツのパイロットの7つです。」
直樹「モビルスーツは何が何機あるんですか?」
玲「モビルスーツは、νガンダム、フリーダム、ジャスティス、V2が1機ずつです。それと、V2にはバスターパーツとアサルトパーツもあります。」
恭子「久住にはνガンダムに乗ってもらおうと思っているわ。」
直樹「俺にですか?でも俺はニュータイプじゃないから、ファンネルを動かせるか分かりませんよ。」
恭子「以前、祐介と感覚を共有したことがあるでしょう?あれに近いものだと思ってもらっていいわ。」
直樹「口で言えば簡単ですが。」
恭子「まあ、後で乗ったときにでも検証してみるわ。」
玲「久住君はパイロットで決まりですね。ではまず、艦長は・・・。」
恭子「それはやっぱり玲じゃない?的確な判断もできるんだし。」
結「そうですね。玲なら安心です。」
玲「わかりました。次に戦闘指揮官は」
恭子「私がやるわ。」
直樹「うわ、いかにも・・・。」
恭子「久住、何か言った?」
恭子先生が睨んでくる。
直樹「いえ・・・。」
玲「操舵士は誰がやりますか?」
弘司「あ、それは俺がやってみようと思います。」
玲「回避行動は一番重要な仕事です。しっかりお願いしますね。」
弘司「はい。」
玲「次に、オペレーターは二人お願いしたいのですが。」
ちひろ「あの、私がやります。」
茉理「ちひろ、大丈夫?」
ちひろ「うん、これをこなせればもう少し積極的に慣れると思うから。」
玲「もう一人は・・・。」
保奈美「私がやります。どんな形でもいいから、なおくんの力になってあげたいんです。」
直樹「保奈美、ありがとう。」
玲「砲手は誰がやりますか?」
恭子「それはやっぱり結じゃない?タイピングも早いんだし。」
結「はい、がんばります。」
結先生がこぶしを握った。
玲「では、残りの3人はパイロットをお願いします。」
茉理「私がフリーダムやりまーす!だって、広範囲ロックオンで一気に倒せると気持ちいいじゃない?」
直樹「茉理らしいというかなんと言うか・・・。」
茉理「むっかー。」
美琴「ジャスティスは私が乗ってもいいかな?赤色っていうのがいいんだよね。」
文緒「じゃあ、私がV2ね。」
直樹「バスターパーツがあるなら、ロングレンジキャノンがあるから、狙いを定めることが得意な文雄にはあってそうだな。」
玲「決まりですね。では、これからパイロットには格納庫へ行って、モビルスーツの案内をします。」
玲「ブリッジクルーはマニュアルをお渡ししますので、よく読んでおいてください。」
玲はパイロットを連れて格納庫に向かう。その途中で玲が口を開いた。
玲「モビルスーツは4機だけですが、それをひとまとめにして小隊を組もうと思っているのですが。」
玲がチラッと直樹のほうを見る。
玲「隊長は久住君にお任せしてもよろしいでしょうか?」
茉理「えー!?」
茉理がわざとらしく言う。
玲「パイロットは久住君だけが男性ですし、適任だと思いますが。」
茉理「はーい、しょうがないなあ。」
玲「久住君、いいですか?」
直樹「はい、わかりました。」
茉理「頼りにしてるからね、従兄様(おにいさま)。」
直樹「隊長と呼べ、隊長と。」
茉理「うー・・・。頼りにしていますからね、隊長。」
美琴「私は身体測定の日に言ったことあるけどね。」
文緒「どぉ?少しは委員長って言われる気持ちも分かった?」
直樹「う・・・、確かに分かったような気がする。」
そんな話をしている間に格納庫に到着した。そこには一列に4機のモビルスーツが立っていた。
玲「それぞれの機体の特徴は、ほぼ100年前のアニメの設定と同じものになっています。」
玲「違う点はキーボードが装備され、OSの書き換えなどが可能になっています。」
直樹「それならすぐにでも動かせそうだな。」
それぞれが自分の選んだモビルスーツに搭乗する。
直樹だけがファンネルの調整のために玲とともに搭乗した。
まずはコックピットに直樹が座る。
玲「まずはシステムを起動してください。」
直樹がスイッチを入れると各部が起動していく。
玲「問題は無いようですね。では、ファンネルの調整に入りましょう。」
直樹「確か祐介と感覚を共有したときを思い浮かべれば・・・。」
玲「いきなり全部を動かすのではなく、まずは1個を動かすところからですね。」
直樹は意識を集中する。祐介と感覚を共有しあったあのときのように。
しばらくして、ファンネルのひとつが動き出した。
玲「動きましたね。やはり久住君には素質があるようです。」
直樹「なんというか、こっちで目を開けてるのにファンネルのほうにも乗っているような感覚ですね。」
玲「ではしばらくモビルスーツを動かす訓練をしていてください。」
そう言って玲はその場を立ち去った。
玲が立ち去った後、直樹は改めてアニメの中で見ていたモビルスーツに、実際に乗ったことを実感していた。
直樹「これがモビルスーツか・・・。コックピットの中はSEEDで見ていたものと同じだな。どちらかというとZAFTよりの設計かな。ちゃんとキーボードまである。」
座席の右側には、ガンダムSEEDのコックピットと同様にキーボードが設置されていた。
それを引っ張り出してキーを叩く。
直樹「まずはこれでマニュアルを探し出すか。」
ある程度調べていると、突然目の前の画面に茉理が現れた。
茉理「やっほー、直樹。」
直樹「おわ!茉理・・・。」
茉理「なによー。そんなに驚くことないじゃない。」
直樹「誰でもおどろくっつーの。てか、もうそんなことまでできるのか。」
茉理「当たり前でしょ。あたしを誰だと思ってるのよ。」
直樹「それは答えになっていないような・・・。」
茉理「むっかー。見てなさいよ!」
そういうと茉理はモビルスーツを動かし始めた。
直樹「げ。マジかよ・・・。」
茉理の乗ったモビルスーツがこぶしを握り締めて突っ込んでくる。
マニュアルで見ていた部分が、偶然にも手の動かし方が説明されている部分だった。
直樹「こうかっ!」
茉理「てりゃ!」
なんとかこぶしが届く前に手のひらで受け止めることに成功する。
茉理「え・・・。」
直樹「ふぅ。」
茉理「私のパンチを受け止めるなんて、やるじゃない直樹も。」
直樹「まったく、危ないな。」
茉理「えへへ。ごめんね。」
その後は4人で通信し合い、いろいろな動きを確認しあっていた。
しばらくして、ブリッジでの指導を終えた玲が戻ってきた。
そのころには各人ともスムーズにモビルスーツを動かせるようになっていた。
玲「初心者用のOSを組み込んでありますが、だいぶ動かせるようになりましたね。」
直樹「はい。」
玲「慣れてきたら自分でOSを書き換えてみてくださいね。」
そのとき、初めての艦内放送がかかる。
恭子「艦長。この付近に敵艦隊が接近しているわ。もう一度ブリッジに来てもらえるかしら。」
玲「今日はここで終わりにしようと思いましたが、どうやらいきなり戦闘になるかもしれないですね。操縦のほうは大丈夫ですか?」
直樹「いけると思います。」
玲「では私はブリッジに戻ります。戦闘があるかもしれませんので、このまま待機していてください。」
玲はνガンダムから降りてブリッジへ向かった。
ブリッジに着くとすぐに恭子が報告した。
恭子「敵艦隊の数はガウが5機ね。中のモビルスーツは大したことないと思うんだけど。」
玲「大阪の基地に向かっているようですね。これ以上の強化をされると困りますから、ここで落としておきましょう。」
恭子「久住たちは出られるの?」
玲「本人は大丈夫だとは言っていますが。こちらも極力支援はします。」
恭子「じゃあ、決まりね。」
各員が所定の位置につく。
玲「総員第一戦闘配備。」
保奈美「総員第一種戦闘配備、パイロットは搭乗機にて待機してください。」
茉理「え?いきなり戦闘?」
茉理が通信を開いた。
直樹「敵艦隊が近づいてるんだとさ。茉理は大丈夫か?」
茉理「うー、あんまり自信が無いかも・・・。」
直樹「ま、なんとかなるだろ。」
美琴「緊張するね。」
美琴も通信を開く。
直樹「戦闘なんて初めてだからな。あんまりゲームもやったこと無いし。」
美琴「ピンチになったら助けてよ。」
直樹「おっけ。ファンネル飛ばせれば何とできると思う。」
美琴「期待しているよ。」
玲「発進シークエンススタート。主動力オンライン。」
弘司「出力上昇、異常なし。起動まで20秒。」
ちひろ「生命維持装置異常ありません。」
保奈美「CICオンライン。」
恭子「武器システムオンライン。」
弘司「FCSコンタクト。ジバチェンバー及びペートディスペンサー、アイドリング正常。」
ちひろ「外装衝撃ダンパー、出力最大でホールドしました。」
保奈美「主動力、コンタクト。エンジン異常なし。」
弘司「アークエンジェル全システムオンライン。発進準備完了。」
玲「上部ハッチ解放。リフト上昇。」
弘司「開放完了。リフト上昇。」
学園のグランドが二つに分かれ、中からアークエンジェルが姿を現す。
弘司「上昇完了。」
玲「カタパルト延長。気密隔壁閉鎖。総員突発的な衝撃に備えよ。」
アークエンジェルが乗っているリフトが傾き、その先が延長される。
玲「前進全速、アークエンジェル、発進!!」
カタパルトを走行し、アークエンジェルが発進する。
こうして、彼らの戦いは始まった。
第2話へ続く
注1:アークエンジェル発進シークエンスは、機動戦士ガンダムSEED第2話を参照にしましたが、聞き取りにくい部分があったため、間違えている可能性があります。
注2:このストーリーでは直樹と保奈美が結ばれたことになっていますが、作者本人が茉理大好き人間なため、他のヒロインたちより会話シーンが多くなっています。ご了承ください。