覗きたくて、プールパラダイス「瑛里華魔法少女」編
コミックマーケット73 東T−49a 風ノ音発行の「F.M.P.C.」、159ページ10行目から変更
「本当に許せないのは・・・」
瑛里華がそう言ったとき、伊織が監督生室に入ってきた。
「兄さんなのだから。」
瑛里華はゆらりと立ち上がり、どこから持ってきたのか手には魔法の杖が握り締められていた。
「兄さん、話は征一郎さんから聞きました。」
一つため息をついてから、瑛里華は静かに目を閉じた。
「男だからプールを覗きたくなるのは分かるけど、生徒会長がそんなことやってたら意味ないじゃない。ちゃんとさ、生徒会長としての自覚を持ってよ。」
瑛里華は目を開いて伊織を睨んだ。
その瞳は真っ赤に燃えていた。
「私の言ってること、間違ってる?」
「いや、俺は兄として妹の成長をだな・・・」
伊織は征一郎にしたのと同じ言い訳をしていた。
瑛里華はまた一つ大きなため息をついた。
「・・・・・少し、頭冷やそうか。」
そこで、奥にいた征一郎が眼鏡のブリッジに人差し指で触れながらこう言った。
「副会長、限定解除。不甲斐無い生徒会長の根性を叩き直してやれ。」
「了解。」
瑛里華は魔法の杖を構えた。
「STAND BY LEADY SET UP!!」
「支倉君も、よく見てなさい。」
「瑛里華、ちょっと待った、それ、違うアニメだから!!」
「問答無用!!」
そう言いながら、瑛里華は伊織に照準を合わせた。
「ブラスタースリー!!」
「Load cartridge!!」
「全力全開!!スターライト!!ブレイカー!!」
「うわああああああ!!!!!」
瞬く間に伊織は打ち抜かれた。
「安心なさい。魔力ダメージだけだから。」
瑛里華はそういいながら魔法の杖を待機状態に戻した。
俺はこのとき、魔王瑛里華様だけは敵に回さないほうが良いと、心から誓った。
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あとがき
何回も書いているように、このストーリーはコミックマーケット73 東T−49a 風ノ音発行の「F.M.P.C.」の一部を変更したものです。
159ページで瑛里華がキレる部分のシーン。台詞は魔王少女なのはさんのパロディなんですが、その後はつよきすネタになっています。話の流れではそのままアクセルシューターなり、ディバインバスターなりにいくのが普通なんですが、どうしても「魔法」というものを避けたかったために、本に掲載するほうはつよきすネタに走りました。それでも一応名残惜しかったわけで、こちらでの掲載となりました。まあ、魔法少女になっただけであまり変わってないですけどね(汗)。